ベイタウン中年バンドの秘密

ブラジルの音楽にハマってます
本職はいったい? TOMTOM
おじちゃんの「この人にスポット・第4回」




まるでプロだ!!

この人こそベイ中において最高のプレーヤーであろう。いや、ベイ中なんてちっぽけな集団などとは言わない。プロの中においてもかなりハイレベルなアーティストなのである。ご本人はアマチュアだと言い張るが、都内や浦安、または大船のライブハウスやホテルで、ちゃんとお金をとってライブもやってるし、ご自身がプロデュースし、作曲、アレンジ、全てを手掛けているCDや環境DVDなども制作しているので、アマチュアの域は完全に脱している。ま、確かに本職はまったく別なのだけど。

TOMTOM氏は、猛烈に忙しい。サラリーマンじゃないけど、朝から晩まで働いている。夜遅く帰宅し、自宅の中にあるスタジオに籠もり、音楽の制作をする。また、時々(結構頻繁に)、深夜からバンドのリハーサル。更に月に何度かはライブ。という具合に空いている日が無い。睡眠時間も極端に短い。従って、家族サービスをするのはだいたい日曜日のみとなる。忙しいサラリーマンも概ねそうであるだろうが、彼の場合は仕事が休みの前日も殆ど寝ずに音楽をやり、翌朝、しかも早朝から家族と一緒に出掛けたりしているので、果たしてどんな身体をしているのだろうと不思議でもあり、心配になってくる。

そんな彼だから滅多にベイ中のメンバーとしての活動は無い。年に一度、ふわりと登場してきて、華麗なキーボードを演奏してくれる。華麗だけど、さりげない。気負いもまったく無い(もちろんうまいからなんだけど)。そして演奏が終わると、もう次の現場へと急行する。怪しげな雰囲気を残して。

楽器はメインがピアノ。自宅にはファツィオリという日本には数少ないピアノを所有している。かなり高価なものである。スタジオを作ってからピアノを入れたので、わざわざそのピアノの搬入路のための窓を後から追加したくらいである。購入してからまだ2〜3年だから、やっと音が良くなってきたという。きらきらした音が特長だ。「何か弾いて」とお願いすると、クラシックからジャズ、ロック、ポップスまで、快くサラリと弾いてくれる。怪しげな外見に反して、実に優しい人なのである。

また、シンセサイザーなどのキーボードも多数所有している。その他、自宅スタジオ内にはマイク、ミキサー、モニタスピーカーなどなどその辺りのプロが使うスタジオには決してヒケをとらない設備が備わっている。今年の1月31日にリリースした「KRONIZCK」の録音もここでやった。音楽をやっている人間にとって自宅にスタジオがあるなんて、羨ましい限りである。


とことん音楽が好きなTOMTOM
TOMTOM氏はなんでも聴く。ジャンルフリーである。今は猛烈にブラジルの音楽に凝っていて、ブラジルにも渡ったり、あるいは現地からアーティストを呼んだりして、レコーディングなどをしている。その他、ロック、ポップス、ジャズ、歌謡曲などありとあらゆるジャンルを聴きまくっている。欲しいソースがあれば、職場である幕張からクルマを飛ばして、都内のCDショップに買いに行く。多忙の中、わざわざCDを買いに行くだけでそれほどエネルギーを使っているのだ。
彼の自宅には数え切れないほどのCDがある。いったいどれだけの枚数があるのか分からないし、あれだけ忙しいので、いつ聴くのかも不明である。しかし、彼は一度聴いた音楽は、必ずアタマの中にインプットされている。展開に加えて、テンポ、音程、更にはどういう音で、という詳細情報までもコピーしているのだ。従って、彼のレパートリーは、聴いた音楽全て、と言っても過言ではない。


初めてTOMTOM氏がベイ中と一緒に演奏したのは数年前のベイタウン・コアでのリハの時だった。ロックコアのプレイベントで、殆ど身内だけで練習したときだ。キーボードを2段に重ね、いつでもOKという涼しい顔で、演奏曲の決定を待つ。練習といっても演奏曲がまったく決まってなくて、「あれやってみようか!?」なんて誰かが言い出すと、とりあえず演奏してみるといった感じだった。

しかし、TOMTOM氏がどれも完璧に弾きこなして、しかも、音色までオリジナルそっくりに弾けることに皆が一斉に驚嘆した。ドゥービーブラザースのマイケルマクドナルドがボーカルの曲、TOTOのヒット曲、とにかくキーボードがメインの曲は特に凄かった。忘れてしまったが、ホーンセクションもバッチリこなす。更には、ツェッペリンの「天国の階段」のリードギターも微妙なトーンで、「あれ?ギターかな?」と錯覚してしまうくらい酷似したサウンドを出す。

即ち、彼のレパートリーは一度でも聴いた曲ということになる。それもかなりな確率でコピーしているので、楽譜など不要である。一回聴いただけで弾けるのである。昨年の暮に彼のスタジオで行われたKRONIZCKの録音のときに、傍で聴いていたTOMTOM氏が栗本修の弾くピアノをそっくりコピーして本人の前で弾いてみた。栗本が驚いた。「なんで一回聴いただけで弾けるんや!」

彼のコピー機能の高さばかり書いてしまった。それだけ素晴らしいということなのだが、単なるコピーマシンではないことを強調しておく。彼のコピー能力なんて、我々が知るほんの少しのことでしかないし、彼が目指しているのはコピーではないのだ。音楽を作るほうの能力ももちろん高いし、アレンジする能力にも長けている。そして自由きままに演奏するのが最も得意なのだ。こと、音楽を楽しむこと自体の能力にかけては、誰にも負けないのではないか。

好きだからこそ、たくさんの音楽を聴き、たくさんの音楽を生みだし、そしてたくさんのライブをこなす。冒頭に書いたとおり、プロ並みの能力があり、プロ並みの活動はしているが、決して音楽を職業にしているわけではない。そういう意味で彼がアマチュアでいる限り、彼にとっての音楽は趣味なのだ。趣味だからこそあそこまでのめりこむことが出来る。

それから、私ごときの音楽に対する不届き者が語ってはいけない人物であることを付け加えておく。すみませんでした。(ぺこぺこ)

2005/3/6 おじちゃん





尚、毎度毎度言い訳ですが、誤字脱字等、語彙の少なさがゆえに表現力の欠乏、薄識がゆえの言い回しのマズさについては何卒ご容赦ください。それにしても、電車の中で書いていると乗り過ごすことも多々ある。(笑)




[ 追記 ]
そうそう。肝心なことを書くのを忘れていた。1月31日にリリースしたKRONIZCKのアルバムにおいての彼の役割は重要だった。単にスタジオの提供に留まらず、サウンドそのもののクリエイトに大きく関わった。また、少々くじけそうな状況になったときの精神面でのサポートをしてくれた。改めて栗本修を含めKRONIZCKのメンバー一同、スタッフ一同からお礼を言わせて頂く。TOMTOMさん、本当に有難う!

上の写真はKRONIZCKの録音時の是方博邦(左)、セシル・モンロー(右)。



おじちゃんの「この人にスポット」シリーズ
Vol.1 ホソカワ氏   Vol.2 Hinason   Vol.3 じょん吉  Vol.4 TomTom


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